エゴイストの論理 -代理出産と三宅島レース-

僕は以前から言っているように、エゴイストなので、倫理観とかモラルとかいう話は苦手だ。
「社会的にみて許されない」「社会正義に反する」とか言う言辞を見ると辟易する。
「社会」ってものには人格なんて無いだろう。 よしんばあったとしても、まるで自分が社会を代表しているかのように振舞うなよ、と言いたくなる。
けれども、僕も社会の中で生きているので、世間の人が言うところのモラルから全く自由でいるというわけにはいかない。
僕も僕自身のモラルに基づいて行動しているが、僕のモラルも社会から得た情報や条件で培われたものだし、僕自身の生活にしたって社会にあるモラルを信用することで成り立っている。
しかし、自分のモラルと世間のモラルがぶつかることもある。
僕は自分のモラルを通したいと願うが、そうもいかないことも多い。
そんな時にはたいていは諦める。
人の目に着かぬ所で、こっそり自分のモラルに従うということもあるかもしれないが、そういうことはあんまり大っぴらにすることではない。なるべく軋轢無く過ごしていくのが世知というものだ。
最近ニュースになった、タレントの高田夫妻の代理出産について、玄倉川さんは否定的なエントリを上げている。
玄倉川さんが言わんとするところは理解できるが、僕の視点や考え方とはズレるところがあり、考えさせられた。
玄倉川の岸辺 「産む機械」を肯定する世論
玄倉川の岸辺 「代理母」報道の偽善、あるいは認知の歪み
玄倉川の岸辺 グロテスクな未来
玄倉川の岸辺 代理出産=「寄生出産」
玄倉川の岸辺 ID:ktL3v1/80 の意見
玄倉川の岸辺 「代理出産」賛成派の意見 その1
玄倉川の岸辺 「代理出産」賛成派の意見 その2
……

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ミクシィ退会します

えー。そういうあざといタイトルのバトンでごんす。
mixiに最近入ってきた友達、GR00からまわってきたよ。
(mixiについては思うところもあって、そのうち何か書くかも)
GR00はシゲつながりで友達になったGPz1000RXに乗るライダーなのです。
●現在のメアドの意味は?
nomad@nomaddaemon.jp
もう20年も使ってるハンドルから。アルフレッド・ベスターの「虎よ、虎よ!」からいただいた。
フランスの哲学者のドゥルーズとガタリの「千のプラトー」では「遊牧民として自由に移動し、横断的に連絡し、意外なものと交流する」という概念としてノマドを定義していて、けっこう気に入っている。
●現在の着信音は?
「着信音1」のベル音
●待ち受け画像は?
なし
▼好きなタイプを外見で答えよう!
大柄な子がタイプではあるけど…
かわいく素直で、よく気がつく子…は好きじゃない。曲がっていてこそ魅力だろうと。
▼年上が好き?
特に意見はない
▼恋人になったらこれだけはして欲しい、して欲しくない事は?
して欲しい事
セックス
して欲しくない事
女の子的わがまま
●財布はどんなのを使っていますか?
黒革の二つ折り
●携帯電話はどんなのを使っていますか??
N2102V
●使ってる携帯ストラップは??
CEATEC Japan でもらった入場証用ストラップ
●手帳って持ってますか??
コードバンのA5のシステム手帳
●バッグはどんなのを使っていますか??
安物の布製ビジネスバッグ
●[バッグ]の主な中身は??
システム手帳、筆記用具
●持ち歩いてないとダメ!!というものを3つあげましょう
特になし。たいてい携帯電話や腕時計は持ち歩いているが、どうしても持っていなくちゃダメ!というほどではない。
衣服・靴・その日に使う分のお金、があればOKだが、それは「持ち歩くもの」ではないだろうな。
■今はいてるパンツの色は?
紺色。
■今、何を聴いているの?
家族がつけているテレビのCM。
かたづけをしている女房の会話。
■一番最後に食べたものは?
チーズケーキ
■もし、クレヨンに生まれ変わったら、何色がいい?

■現在の天気・気温は?
雨。裸足で過ごせる程度の、まあ適温。
■いちばん最後に電話で話した人は?
女房。駅まで車で迎えに来てもらった。
■現在の年齢は?
45歳
■好きな飲み物は?
中国茶が好きだな
杜仲茶やばんそうれい茶など、これはまずい!というような飲み物もけっこう好きで飲む。
■好きなスポーツは?
合気道はスポーツじゃないしなあ。
スキーはレジャーだしなあ。
バイクは…あれは生き方だろうし。
■現在の毛色は?
黒。ただし白髪染めを少々しているので、やや赤みがかっている
■コンタクトレンズしてる?
合気道の稽古をしている時に1日使い捨てタイプのものを
■兄弟は何人?
男3兄弟の長男
■好きな日は?
休日。花見をする日が一番好きだ
台風が過ぎ去って湿った風が吹く、浄化された空気の明るい日差しの朝もいいな
■好きな食べ物は?
自分で作って「勝った!」と思ったもの。
最近ではエビの頭をオリーブオイルで揚げて、ソフリットと一緒に煮て出汁をとったスープで作ったキノコのリゾット。
今週末はスジ肉を混ぜたミートソースを作るつもり。今度はズッキーニを入れてソフリットを作ろう
■最後にみた映画は?
世界最速のインディアン
■怒ってる時にどうする?
口をきかない
現在は暴力は全く使わない
■夏か冬どっち?
間違いなく冬
俺の前世はアフリカの肺魚だ
■絶対このバトンをやる人は誰?
うへえ。こういうの苦手なんだよね
akioさんならやってくれるかなあ…
■最近泣いたのはいつ?なぜ?
テレビのドラマを見た時かなあ。多分「東京タワー」だと思う。
テレビの配役はイマイチだったと思うけど、映画は期待大。
小説は本当に良かった。だらしなくて苦いエピソードがいい。そういう苦くてヘタレな主人公をオダギリジョーはちゃんと演じてくれるかな。
奥さんと見に行きます。
■一番長いマイミクは誰?
多分Archaicさん
確か、彼女がmixiに誘ってくれたんじゃなかったっけ?
ほぼ同時期に誘ってくれた子はケンカしてマイミク切られた。まあそういうこともある。
■昨夜何した?
ウチに帰ってきて一番最初にやるのがPCの電源をつけること、だからな。
(もっとも、俺が帰ってきたときには家族の誰かが電源をいれてる)
ま、そんなわけで、大抵はネットばっかり。1日のうち12時間はPC見てるんじゃね?
昨日はわりと早めに寝たなあ。その割りに寝付けなかった。
■「これ失ったら怖い」と思うもの。
チンコ。
…なくなったらなくなったでなんとかなるのかなあ。
家族、とカッコつけて言ってみたいけど、どっちにしろ、後何年かすれば巣立って行っちゃうわけだよ。俺たちだってやっぱり一時の場を共有している共同体ってわけよ。
まあ、だから、そういういずれ失われてしまう場を大事にしなくちゃね。
「意識」「情熱」なんてものは波があるもんだからね。そんなもん、あっちゅうまに失っちゃう。「健康」っつーのもねえ。もっと大事なものはあるんだろうしな。
てワケで、「命」としとこうかな。  –つまらん回答だな。
■好きな車は?
コブラがいいな。
あれに現代の5リットルV8のエンジン載せてツインターボで過給する。800psもあればおもすれーんじゃね?
ケーターハムスーパーセブンにハヤブサターボのエンジン載せるっつーのもいいんだよなあ。
サーキットで秒を削るような車はあんまり興味ない。
200km/hも出ればいいんじゃねえの?
って感じですー

これはいい動画

以前、キックでやられてコテンパンですた、と報告しましたが、ドラネコ商会の佐山師範から、すばらしい動画をご紹介いただきましたよ!

まあ、僕くらいの技術ではできないですけどね。
相手の動きよりも先に動いて、相手の動線をずらしてやらないといけない。
でも、対処の方法がある、というのはありがたいです。
この動画、繰り返し見て、勉強します。
佐山師範、ありがとうございました。

さんまのSuperからくりテレビで

今、「保護してるメールありますか」という街頭インタビューで、offでご一緒した人がえらい勢いで出てましたが。
ひょっとして(ハンドルしか知らんので)人違いだといかんのでアレですけど、もしご本人でしたら、一言ドゾー

林信吾 世界一になりました

もうエントリを重ねるつもりは今のところ無い、と書きましたが、先ごろの素晴らしいエントリにおいて、私が世界一になりましたのでここに自賛をこめて皆様にお知らせいたします。
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Web魚拓
まさしくYahoo!でググッた結果でございます。
じっくりご覧いただければ判る通り、私が林信吾の世界的なオーソリティーです。
林信吾本人などお呼びもつかぬほど私は林信吾世界一である。
今後、林信吾については私に一言相談していただきたい。
林信吾の印税や自慢の原稿料など私を通していただきたい。わかるね。
あるいは林信吾の自慢の黒帯は2段分くらいは私の実力である。
もし林信吾本人がどこかのblogにコメントしたいと思ったら、まずは私に一報するように。無断だった場合は一切の有効が無いとみなして良い。もっとももともと有効性は極薄なのであるが。
さて、このように、林信吾は我々(主に俺)に大変有効なものを残した。
……

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バイクに乗りたい

いい季節になりましたな。
もう外は春ですよ。
道も凍結してないですしね。
…バイクに乗りたいなあ。
いや、ただ単に、資金が無くてバイクに乗れないのです。
ツナギとヘルメットとブーツとグローブを買って、ハヤブサの車検を取ると30万とか50万とかかかるわけでね。
寂しい話よなあ。
以前こちらのblogにいらした、ご自分でハヤブサにターボをつけた井上さんのバイクが完成したようで、今月号のロードライダーに載ってました。
SpeedLab
イイかんじにできてんだよなあ。
いいなあ。ブースト0.65で275ps出てます。
1.4まで上げれば400ps行くんじゃないでしょうか。1.4まで上げたときに燃料の供給が追いつくか、とか、過渡特性をジェントルにするには、とかいろいろ考えが及びますわねえ。
最大出力時の供給を稼ごうとして燃圧上げると今度は低速で濃くなるんで、燃料ポンプをプライマリとセカンダリのツインにして、通常はシングルで動かして、ブースト域だけツインにして燃圧上げるとかね。
いろいろと工夫のしがいがあって楽しみなことです。
早速井上さんにメールしましたけども。
いろいろとお話したいですねえ。>井上さん
またちょっと、ターボシステムの構成とか、セッティングのノウハウをまとめましょうかねえ。
その間に宝くじでも買いましょうかねえ。
—–‘07.04.10 00:35追記——
奥さんが言うには「ツナギやグローブだけじゃないでしょう」
・でっぱったおなかを引っ込ます
・メガネを老眼入りのに取替え
おまいはなんでまたそう萎えるコトを

花見合気道

ぐはぁ。本日も全身筋肉痛でごんす。
毎週の定常運転ではありますが、本日は脛に打ち身青タンなどが追加されております。
と申しますのも花見のせいであります。
日ごろ申しておりますが俺は花見が好きだ。大好きだ。
寝ても覚めても日々花見について深く考えており1年のうち300日は花見だ。花見さえできれば死んでもいいむしろ花見のある限り俺は生き続ける君たちの心の中に。
ということで、花見の誘いに乗り、いつもの練習の後、ドラネコ商会の強敵(と書いて「とも」と読む)が待つ日暮里の墓へ行ってきた。
「ふっ会場が墓とは粋なはからい。まさしくこここそ俺が望む場所よ。この場に葬られるのはお前か。それともこの俺か」
という具合なのだがもちろんコテンパンにヤラレてきました。
会場について挨拶も済まぬ間に目が合った女子にまずはセクハラ発言を一発かまして、機先を制したまでは良かった。ドラネコ商会の飲み会では実に伸びやかに息を吸うよりナチュラルに下ネタを語れる開放感は他では味わえない格別なものがあるわけです。
「小便はスカトロには入らないよね」「黄金水って言うくらいだしね」「健康食品だよね」とまわりもわかってる。そうだよ!俺が求めてるのはそういうことなんだよ!
セクハラされた女子は涙目で帰ってしまったけれども、これを糧として日々励んで欲しい。君の挑戦はいつでも受ける。待ってるよ!
前回、新年会ではあんまりオゲレツなネタばっかり喋ってるもんだから近くにいたカポーにえらい目つきで睨まれましたが、ここ開放的なオープンテラスでは大丈夫。
去年の花見では全裸が出たと聞き、これぞまさしく花見、かくあるべしと日本の伝統の奥深さにますます日本の国が大好きよフジヤマテンプーラ。アトォウ、ニホンノジォシコウセイスカートミジカスギル。デモボクハソンナコトゼンゼンカンケイナイ! こんな国を戦禍で汚してはいけない。だから軍拡を。いや、花見してる外人けっこう多いじゃん。ワールドワイドだよ。
さて本日の全裸タイムはいつなのかとウキウキしていたところ、そこかしこでじゃれあう男女。男男。
 …男男。
……

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林信吾の壮絶なる最後の瞬間

これから書くことは、右翼思想・左翼思想だとか軍事の話は全く関係ない。
リテラシーの話だ。
僕はちょっと左っぽい平和主義者なので、戦争は大嫌いだ。死ぬのは怖いからな。
加藤幸弘さんという極左の人とも友達なくらいなので、僕の左は間違いがない。
戦争がおきては大変だし、徴兵制なんてなったらエライことだから、時々軍事に関する情報に目を通している。
「週刊オブイェクト」というblogは、読みやすいし、間違いや偏向も少ないようなので時々覗いている。
(間違いがあっても、確認のうえきちんと訂正をいれているので、かなり信用できるんじゃないかと思っている)
このblogでは、他のサイトや書籍で間違った記述をしているようなことがあると、資料に基づいた内容の確認と、その訂正を行っている。僕のような左っぽい平和主義者は軍事のことにはからきしなので、うっかり変なものを読んで間違った知識で思い込みをしてしまわないためにも、たいへんありがたい。
つい最近も「反戦軍事学」という本を批判的に紹介していた。
僕にとっては紹介している本がデタラメだろうが、買わなければ良いだけなので、正直、この本自体には興味がない。それよりも、資料に基づいて解説をすすめていくやり方は偏向的な情報に惑わされないための教育読本となるので、書評が進むのを期待していた。
ところが、この批判に、著者本人が突撃してきたのである。
…いや、そこ、驚いてもいかんし笑ってもいかんよ。ホントのことなんだから。
まあ、せっかく本人が来たので、「アンタの書いてることは、ここがこんなふうに間違ってると思うがどうよ?」という流れになりますわな。
そうしたら「オマエラみたいな雑魚のネトウヨに説明する必要なんかねえよ」みたいな罵詈雑言。
…いや、そこ、驚いてもいかんし笑ってもいかんよ。ホントのことなんだから。
挙句の果てに、ジサクジエン


 JSFさん、気をつけてくださいね。
 あなたの味方が、援護射撃のつもりでやったことかもしれません。でも、反対に、林の側の人間が、なにかたくらんだのかもしれません。
 みんなの林祭りを見届けてから、また本当の本人が出てきて、バーカ、と言うかもしれません。
 でも、私の予測では、もう来ないと思います。

Posted by 関係者ですよ2 at 2007年03月18日 12:24

…いや、そこ、驚いてもいかんし笑ってもいかんよ。ホントのことなんだから。
結果的に、IPからその所業がバレ、盛大に祭りが発生した。

朝日新書「反戦軍事学」を読む~林信吾さん本人確認&自作自演暴露編~ : 週刊オブイェクト
以上、「関係者ですよ。」「関係者ですよ2」名義の書き込みのIPアドレスは[6●.●4.3●.8●](一部数値を伏せて置きます)であり、これまでの「林信吾」名義の書き込みのIPアドレスと全く同一でした。このIPアドレスでの投稿は「関係者ですよ。」「関係者ですよ2」及び、今までの「林信吾」名義の書き込みの全てであり、それ以外の使用はありませんでした。

さらには駄目押し


それなら、乗りかかった船で、もう少し盛り上げてやろうか、ってんで、「突然のヘタレから自爆」というシナリオを、自作自演。
皆さん、ハマったでしょ?

JSFよ、この理論が理解できるかね?

だから、「著者自身の言葉で(本の内容が)否定された」「著者に質問がある」などとは、全部独り相撲に過ぎなかった、ってこと。だって俺、著者じゃないから
今日はお彼岸。
ネットだけが世界だと思っている亡者の皆さん、どうか成仏して下さい。
合掌。
Posted by 林信吾 at 2007年03月21日 08:30

…いや、そこ、驚いてもいかんし笑ってもいかんよ。ホントのことなんだから。
僕はなんだかだんだん退屈になってきてしまった。
「俺はニセモノだし全部釣りでした」という予想範囲内の反応。
芸もリテラシーも世知もない。
こんなバカじゃあどこを押してもバカの汁しか出てきやしない。
これから先だって何一つ予想外の行動なんて起こせるわけがない。
これから「自称:林信吾」は間違いなく本物の林信吾だということを証明していくことになるんだろう。それは「週刊オブイェクト」のブログマスターのJSF氏がやらなくても、ネット中の愛好家が外堀を埋めていくことになる。
そしてネットを経由して林信吾の評判はどんどん落ちていく。今現在でさえ、Amazonの書評はてきめんに落ちている。
ネットの話題が飽和してネット外に出て行くのは、「電車男」とか「今週妻が浮気します」とかの例からするとだいたい半年くらいか。
たった今は、確かに林信吾には大した影響は無いだろう。発売してしばらくたってからの悪評は、全体の販売量にはそれほど大きなものにはなりえないだろうから。
しかし、今後、「林信吾」という名前は、常に失笑をもって語られることになる。
どんな本を出しても「今回はどんなバカなでたらめを書いているんだろう」という目で見られることになる。もちろんネット書評では悪評が増えていく。
悪評が増えても、最初は売り上げに大きな影響は無いかもしれない。
しかし、軍事に関する依頼は減っていくだろう。
志茂田景樹のように作品の質が落ちても、その他の活動で生活できていけばいいけれど、林信吾=信用できない人物という評判はそうそう消せるものではない。
作品の質が低い上に人物の質が低いとみなされては、他の著作を出しても、他の活動を始めても胡乱な目で見られることになる。
これはもう決まったことだ。
この道はまっすぐ続いている。
予定調和だ。 退屈な予定調和。 まるで林信吾の釣り宣言みたいに。
結局、ネットが社会の延長だということに気づかない人なのだ。
こんなこと、もう何年も何十年も前から繰り返し言われてきたことだ。
そういうことが未だにわからぬ者がいるということに、僕は絶望を感じる。
学習能力の無い者は家畜と一緒だ。 家畜が語る社会主義など何一つ信じるに足らない。
社会主義が成り立つのは、人間が教育によって理性でもって科学的、論理的に振舞うことだからだ。

映画「世界最速のインディアン」を見た

奥さんを誘って映画を見に行った。
indian_b.jpg
世界最速のインディアン
http://www.sonypictures.jp/movies/theworldsfastestindian/
けっこう評判のいい映画で、何も知らない人と見に行っても退屈しないと聞いたので、奥さんでもバイク映画もいいだろうと思ったんだ。
僕のような人間は何を考えて、何が好きで何をしたいと考えているのかを奥さんに知って欲しいとも思ったし。

ニュージーランドの田舎町に住む孤独な老人、バート・マンローはバイクマニアで、長年アメリカ製のオートバイ「インディアン・スカウト」の改造に熱中している。
いつかアメリカのボンネビル・スピードウェイで最高速度を試してみたいと考えているが、年金暮らしの身にはそんな資金も無い。
しかし、狭心症の発作に襲われ、自分の命もそれほど長く持たないと考え始めた彼は、ついにボンネビルに旅立つことを決心する。

「ボンヌビルじゃなくて”ボンネビル”だろ!」
「アクセルじゃなくてアクスル。車軸のことだ」
「300km/hを超えたのがスゲーんじゃなくてだな、200マイルを超えたからスゲーんだよ!」
と、イチイチ気になる部分はあるものの、うん、いい映画だと思う。
(チッ、モリワキ、ちゃんと監修しろよ)
…だけどねえ…
 僕はちょっと物足らなかった。
彼の人生は、僕の足先と地続きに続いているものだからだ。
狭心症の発作を起こしてなおバイクに乗りたいと願い、その上、人生最後の機会にとボンネビルに旅立つ決心をするマンロー。
狭い操縦席に入れないと、自分の足に巻いた遮熱布をはずし、そんなことしたら火傷する、と止める友人たちに「足ならスペアがある!」と叫ぶマンロー。
それは俺のことだよね?
この映画は「何かを始めなくてはと考えている人」にはとても大切な映画だ。
しかし、「何かを始めようとは全く思わない人」と「すでに何かを始めている人」には物足りない。「5分が一生に勝る」「夢を追わない人間は野菜と同じだ」彼の言葉は僕の胸に響いたけれど、それは僕の中で繰り返されている言葉だからだ。
マンローの生きた世界は僕と地続きだ。
ハヤブサ ターボは、彼が走ったソルトレイクで250マイルで走った。時速400kmだ。
ストリームライナーのような競技専用車両と違い、小改造での公認記録として「世界最速の市販バイク」と呼ばれることになった。
時速400kmで走った男は大阪の BabyFace佐藤さんの友人だ。
で、このバイクをチューンしたNLRと僕は何度かメールでやりとりをしている。
実に親切な…オヒトヨシな人だ。
多分、マンローを助けたヤンキーたちも、きっとこんなオヒトヨシ連中なんだろう。
アメリカのビジネスマンは実にイヤなやつらが多いそうだが、田舎の連中は実際のところオヒトヨシばかりだ。
極東からアメリカまでターボキットを探してるとBBSに出入りするような僕みたいなのは珍しいらしい。ハヤブサBBSでは日本人は僕しか見当たらなかったからね。
マンローが受けた親切や、ソルトレイクの風は、僕もほんの少し味わっている。彼らのオヒトヨシな親切はアメリカ人の美点だ。
(NLRのセバスチャンはスウェーデン移民の子だけどねww)
奥さんに映画の感想を聞くと
「うーん… 守るものが無いってイイナーって」
 と肺腑を抉る的確な感想をいただきましたよ。
 翻訳: → 夢を追うのはいいけど、まずはやることやってからナ。
ウホ♪
さすが奥さん。ホントによくわかってるわねえ、イ ケ ズ 。
まあなあ。
昨日も合気道の練習行って、手首傷めちゃったからなあ、俺。腫れてるし。
「そんなん、アンタ、向いてないんだからやめたら?」
って、奥さん心配して言うんですよ。それわかってて
「いやそりゃオメー、向いてるとか向いてないとか才能あるとか無いとか体力あるとか無いとか、40も過ぎて始めた合気道にそんなもん関係ないのよ。 才能なんか何一つ無くたってやるんだよ。手首モゲても首がモゲてもやらんよりやった方がいいんだ」
って言ってましたからね。
あんまりいい気になって好きなことやらせとくと本気でやらかしちゃいますからね、きっと。
奥さんとしては懸命な判断ですよ、ハニー。
今回の映画評、僕にとっては辛目になってしまいました。
僕はマンローにとてもシンパシーを感じているけれど、マンローの行動は、僕らにとってなじみのものだ。
「足なら代えがある!」と叫ぶマンローに、僕らは「ああ、じゃしょうがない」と真顔で返すんだ。
だから、僕はマンローが、マシンに何を行ったのかをもっとよく知りたかった。
彼が鋳造したピストンだとか、削り出したシリンダー、当然最新式のキャブに換えてあるはずで、どんな調整をしたのか。空気取り入れ口はラムエアシステムがついてるみたいだが、燃調はどうやってとったのか。その苦労や工夫を知りたかった。
その積み重ねが「スピードの神に捧げる」供物であり労働であったはずだ。僕らはそれを見るだけでマンローに感動することができるだろう。
ええ、ノンケの人にはわからん話でスマン。
が、特にオッサンたちは見るが良いよ。もうそろそろ人生の折り返し地点だと思えるお年頃のオッサンにはオススメ。
オマイラそろそろ何か始めないと何にも無いまま人生が終わっちまうぜ、ってお話。
来いよ。
コッチ側にさ。