かくも永き巫女の不在

音極道での「水伝批判:批判」について、いろんな方面から反応があったらしい。
僕からすると水伝関係のサイトも音極道も両方とも懇意にしているサイトだったので、とまどった。
僕も渦中にいるうちは気づかなかったが、いくつかのサイトの意見を見聞きするうち、わかったことがある。
田崎さんは、あの水伝批判文書を書く必要は無かった。
田崎さんは象牙の塔の遥か高いところに住む科学者だ。
科学者の仕事は、研究し、論文を書き、学会で発表する。以上。
下界の教養の無い、無知蒙昧な連中が、お粗末な戯言で迷うことなど、本来何の関係もない。
関係ないはずだった。
ところが、水伝が学校の道徳の授業として取り上げられ、子供たちが非科学的な考えで洗脳をされようとしているのを知り、自らあの文書を書かざるを得なくなったのだ。
そのままほっておいたら、自分のところに来る学生の質は落ちて行くだろうし、科学という分野がおろそかにされてしまうだろう、という危機感からだ。
本来は、あの文書は子供向けというよりも学校の先生にターゲットされているのかもしれない。
先生たちがあれを教材にできれば、水伝をきっかけにして、「科学的思考方法」について生徒に教えることもできるだろう。
ああした文書が「権威ある科学者の言葉」として公にされていれば、科学的素養の無い先生たちを教育することもできるだろうし、あやうい論を牽制することにもなるだろう。
しかし、J2さんは、そうした背景など知らなかった。
多分、「水からの伝言」も読んだことは無いだろう。(僕だってそんなバカバカしいのは読まない。と学会の報告だけ読めば十分だ)
科学者が十分な説明をせずに、権威で水伝を否定したと読み取ったのだと思う。
だから科学者が科学者らしく水伝を否定するには科学という装置を使って行なうべきだ、と指摘したのだ。
そうした手続きを踏まえず、一方的に否定したものを信じることは水伝を信じる人たちと、そう変わらないではないか、と言ったのだ。
J2さんと田崎さんのすれ違いは、こうした背景抜きでは語れないのではないか。
田崎さんの目的が違うのだから噛合うことはない。
それともう一つ。
……

続きを読む

あんまり社会に対してモノ申す気はないのだけど

警察も、教育も、医療も、保険も、年金も、電話も、テレビも、新聞も。
日本中の社会的基盤、インフラっていうのは、みなぎし崩壊を始めてるらしい。
天が落ちてくるのを心配するのを杞憂という。
しかし、天は落ちかかっていて、ギシギシと音が聞こえる。
みんなは僕のことをどう思ってるかしらないけど、僕自身は自分のことを、むしろ社会性が欠けていると思っている。
なんていうか、いつも社会っつーものに違和感を持っていて、自分が社会の構成員だっていうような自覚が無い。
だから、社会がどうしたとか、政治がこうしたということは、自分のblogで書くようなことじゃないと思っている。
それでもヨソのblogで目にして興味を引かれたことには「社会の観光客」として、コメントをすることがよくある。

事象の地平線::—Event Horizon— :: 水伝:科学だけの問題ではない
たざきさんの『「水からの伝言」を信じないでください』があちこちで話題になっている。賛同する意見も批判的な意見も、いくつかのblogで見たが、やはり一言追加しておかなければならないと思うのでまとめておく。

このblog主は天羽優子さん言って、物理学者だ。
僕は6,7年前、プログラマのメーリングリストに登録していて、最初はその参加者として彼女を知った。
「効能があるという触れ込みの水」を売る商売ってのは世の中にたくさんあるのだけれど、それに対する批判を「水商売ウォッチング」というサイトにまとめて、けっこう評判になっているので知ってる人は多いだろう。
僕は詐欺商法だとか、詐欺とまでは言えないけれどうさんくさい商売の手口を知るのが大好きで、いろんな手口をネットで収集してはニヤニヤしている。新しい手口が現れると嬉しくなってあっちこっちに検索かけて、事細かに中身を知ろうとする。
手口として斬新だったり、いくつもの手順を踏んだりしていると「良くできてるぅー!」などと興奮するのだ。
そういうマニアなので、実のところ「水からの伝言」なんてのは数ある水商売のひとつで、有象無象の、ただのニセ科学を使った新味のない商売としか見ていなかった。
ところが
……

続きを読む

松永さんについて

オウムの信者だったという松永さんについていろんな論評が出ているようだ。
僕自身は彼の今までの言動について詳しくないし、直截的に僕の利害に関係したことではないので、深入りはしないつもりだ。
ただ、昔、オウムの信者にほんのわずにか関わった経験があって全くの他人事とは思えないところもあり、また、僕がこれから書こうとしている視点から松永さんについて論評しているのを見ていないので(僕がきちんとフォローしていないだけかもしれない)これから書くことが、もしかして松永さんと彼を取り巻く状況を理解するための補助線となれたらと思っている次第。
結論から先に書いてしまうけれど、松永さんを「元信者≒修行者」と考えるのは変だと思う。
確かに、松永さんは今までオウム信者として登録していたのだろうけれど、修行者だったことはないんじゃないだろうか。
「修行経験者」ではあるかもしれないが、僕の目からは修行者とは言えない。
修行をした、という報告と、修行者的な行動とは別のことだ。
……

続きを読む

成分解析

★カドルコア世代☆ http://www.tekipaki.jp/~clock/ より
nomadの成分解析結果 :
nomadの36%は海水で出来ています。
nomadの23%は運で出来ています。
nomadの16%は呪詛で出来ています。
nomadの14%は気合で出来ています。
nomadの6%は大阪のおいしい水で出来ています。
nomadの5%は大人の都合で出来ています。
nomaddaemonの成分解析結果 :
nomaddaemonの65%は蛇の抜け殻で出来ています。
nomaddaemonの14%は純金で出来ています。
nomaddaemonの8%は花崗岩で出来ています。
nomaddaemonの6%は歌で出来ています。
nomaddaemonの2%は柳の樹皮で出来ています。
nomaddaemonの2%は電波で出来ています。
nomaddaemonの2%は欲望で出来ています。
nomaddaemonの1%は信念で出来ています。
のまdの成分解析結果 :
のまdの72%は時間で出来ています。
のまdの16%は毒物で出来ています。
のまdの10%は気合で出来ています。
のまdの2%は鉛で出来ています。
それぞれに、みな、正しい。

東横インはともかく障害者団体キモい(という意見)

最近時事ネタばっかですが。
なんでかしらん、モノ申したくなるようなことばっかですもん。
でね、また物議をかもすようなタイトルでアレですけども。
僕の友人がこんなこと言ってるですよ。

Re: 東横イン
 シゲ – 2006/02/07(Tue) 11:16 No.5236
障害者団体キモ過ぎ。
だいたいさー、東横インなんて飲食店で言ったら吉牛みたいなもんだろ。
メシを腹に詰め込めればいいだけ。東横インは泊まれればいいだけ。
カプセルホテルに毛が生えたくらいのホテルに何を求めているんだよ。
東横インはそりゃ悪いよ。法律犯して商売しているんだもの。
それらを謝罪し、罪は償い、ホテルを改善するのは当然のことだが、
今の論調は障害者の人権やら、泊まる権利やらに結びつけた論調。
特に昨晩の報ステなんてキモ過ぎ。まぁ、テレ朝だからそんなモンだろうが。
こういのって障害者団体の後ろにプロ市民とか人権屋付いているんだろうな。
で、馬鹿マスコミがたたいていつもの論調にと。
条例は条例でヘンな気がする。
どういう条例なのか知らないが、障害者用の客室を付けないといけないとなっているなら無駄だな。
そもそも最低限泊まれればいい程度のホテルなんだから、
障害者だって最低限泊まれればいいだけのことだろ。
車椅子で最低限ベッド脇に寄せられるスペースの確保と、
バストイレを最低限車椅子で入れる広さにして、手すり付ければいいだけ。
ハンディキャップルームではなく、ユニバーサルルームという位置づけにすりゃあいいじゃん。
ちょっとばっか広くして、バストイレに手すりがある部屋が
健常者が使ってまずいわけじゃなかろうに。
障害者専用みたいにするから無駄になるんだろ。
障害者の予約が入ってなければ、普通に客室として使えばいいじゃん。
ま、この辺は障害者用客室を設けないといけないのか、
障害者に対応できる客室を設けないといけないのか、
条例は自治体によって様々だろうし、よく知らんけどさ。

そういうことを某所で書いたら、「あなたは障害者の気持ちをわかってない」とかって窘められた、なんて本人言ってましたが。
しかし、確かにそういう視点からすると、ここぞとばかり叩く風潮そのものがキモい、というのはアリかもしれませんね。
「たかが東横インだろ。他にもいっぱいホテルはあるし、逆に設備が全然整ってないホテルだってあるし、環境と条件に応じて不自由なく利用できれば法律で縛る必要なんかないよ」というのはその通りに聞こえる。
もっとも、法律で縛らないから障害者が利用しにくい不自由なホテルばっかりになっちゃう、という論理なのか。
でもなあ、いくら立派な障害者用設備が整ったホテルでも無闇に高かったりしたら、やっぱり利用できないしなあ。
「障害者用設備を特別に備えているわけではありませんが、誠心誠意、お手伝いいたします」
ってホテルがあればそっちを使いたいだろうしな。
公共料金のように同一料金同一サービスならば、障害者用サービスというものを義務付ける意味はあると思うよ。鉄道を利用するのに不自由なJR東海みたいな会社ばっかりじゃ困るもんな。
だいたい「駅を利用するときは2日前に連絡しろ」なんてバカなお願いをするバカなJR東海はほんとうにバカだ。
JR東海のバカはみんな自分が障害になったり歳を取ったりしないとでも思ってるバカなんだろうな。そういうバカを取り締まって死刑にすればいいと思うんだが、先にホテルですか。バカのJR東海を先にすれ。バカ。
事前連絡のお願いについて
聴覚・言語障害者は駅に行かない限り情報を得られない
電動車いす使用者に一律に施設利用を拒否
対応が悪すげです
いや、バカのJR東海のことをバカって書いてたら話がずれたね。
それもこれも何もかもバカなJR東海のせいなんで、コトあるごとにバカのJR東海って言ってやるといいよ。
ざっとググっただけでこれだけあるんだから、そりゃもう1年365日、毎日どこの駅でも障害者を排除すべくバカのJR東海は大活躍なんだから。
で、ですね、ようはですね、嵩にかかって東横インを叩くのって、ホントに障害者のことわかってんの?
障害者のために怒ってんの?
ってことですわね。
「点字をわかりやすくするためにデカくした」
みたいな、くだらない健康者の思い込みじゃないですか、と。
まあ、叩くのも悪くはないですけども、何かどうせ活動するなら健康者もそうでない人も、住みやすい世界になってほしいですわね。
叩いただけで「あー日頃のうっぷんが晴らせた」ってだけじゃ情けないんで。

女系天皇反対について

僕は当初、女系天皇ってのが何なのかよく知らなかった。
玄倉川さんのエントリなどを通じて男系天皇ってのは何なのか、万世一系とは何なのか知った次第。

玄倉川の岸辺:何を守るのか
皇室の存在は「過去」(歴史)なしにはありえない。はるか歴史以前の昔、建国神話の霧の中から生まれ現在まで途絶えることない皇統こそが皇室の尊さを維持し伝える芯である。現在の皇室・皇位を守るため過去千数百年続いてきた万世一系を断ち切るのは「果実を守るために果樹を切り倒す」ような愚かしい行いとしか思えない。

だからあんまりイタケダカに物言うつもりは無かったのだけども、どうも<女系天皇制反対論者>さえも天皇制を語るときに「現代の感覚」を通してものを見てしまうという点は指摘しておくべきだと思う。
僕がこれから書くのは天皇制そのものではなく、天皇制を語っている側の意識についてだ。
僕が書いたのはこのコメント。

合理主義(苦笑) (nomad)
2006-02-01 23:35:26
天皇制は、ある部分、宗教だ。日本国と言う幻想を束ねる宗教なんだよ。
宗教だから実体は無い。幻想だけが僕たちを結び付けている。
別にそれを不思議とも不合理とも思わないけどね、僕は。家族とか社会での関係っていうのは多かれ少なかれそういうもんだし。
で、「男系がいないので女系に」という合理主義をつきつめるとどうなるのか。
「いっそ天皇制なんて無くしてしまえば悩む必要なんかないよね」ってことになる。
女系にしてしまえという乱暴な論理はあまりに杜撰で、気が遠くなるね。
天皇陛下には人権はないんだよ。
天皇陛下は日本国の国民じゃないんだ。
天皇陛下こそ、国の象徴。国を体現するしるしなんだよ。
わずか60年かそこらの「民主主義」「合理主義」「人権意識」で2600年間のしるしを替えようってのは、日本のスイッチをここで変えてしまおうという、途方も無く乱暴な論議だ。
僕のうちには家系図はないけれど、位牌も家系図も寺の過去帳も家族のアルバムも死んだじいさんばあさんの写真も、すべてゴミに出してみてから、もう一度「女系天皇」と口に出してみるのを勧めるね。

今一度読み返してみると、これ以上何か付け加えることは無いように思う。
まず、天皇制を考えてみよう。……

続きを読む

浦安の新成人の鼠踊りについて

朝日新聞のコラムでこんな表現があったという。
まあ何というか、日頃「公器」だの「社会の木鐸」などという大仰なことを言うメディアがする表現ではない。
下品
もし本当に戒める目的があったとしても、こんな酔っ払い親父の管巻きのような言質で相手が反省するわけがない。
ところで、いくつかのサイトを見て回ったところでは、指摘されていないようなので、書いておく。
なぜ浦安ではディズニーランドで成人式をするのか
東京ディズニーランドは浦安の主要産業なのである。
企業の誘致というのは、田舎町にとっては一大事業だ。
鈴鹿市がホンダ自動車のサーキットと工場誘致をしたときに「本田総一郎は町役場で出された一杯の粗茶でここに工場を作るのを決めた」というエピソードが伝説になっている。
浦安もディズニーランドの誘致には町の将来に関わる真剣な取り組みだったのだ。
「浦安 ディズニーランド 誘致」でググって見ればよい。当時、どんな状況で何が行われたかわかるだろう。
海と浦安
浦安の歴史に学ぶ
ディズニーをつくった町の物語
東京ディズニーリゾート関連書籍 1 – 舞浜狂
今回、僕は「ディズニー一族が候補地のひとつとして浦安を視察に来たとき、町民挙げてのプレゼンテーションに感激してここにディズニーランドを建設することを決定した」という不確かな記憶を頼りに検索した。
けれども、実際はそれ上にドラマチックな事業だった。
最貧困層の漁業部落。
江戸時代から続く自然災害地域。
近隣の工業化によって引き起こされた度重なる海洋汚染。
貧困からの脱出を賭けた再開発プラン。
環境破壊から決別しようとしての遊戯施設誘致。
土地開発会社との攻防。
ライバル誘致先の台頭。
いくつもいくつもいくつものハードルを乗り越えて、浦安という底辺の町が再生するための一大プロジェクトだったのだ。
その成功の証としてこれからの浦安を担う成人のための式を東京ディズニーランドで行われるのは必然なのだ。
現在の夢の遊戯施設が、先人の労苦の上に成り立っていることを知るにはこれ以上の場所はない。ディズニーランドは浦安の希望であり、理想であり、誇りなのだ。
もしディズニーランドがなければ、浦安は今でも都市に労働力を吸収されていたに違いない。成人式への参加率が70%という数値は、浦安では誇り以外の何者でもないだろう。
若者が浦安に留まり、浦安の町を支えていてくれるということだからだ。
最後に。
僕は東京ディズニーランドへは行ったことがない。行く気もしないし、今後も真っ平だ。
(そのせいで家族には非難されている)
ミッキーマウスもミッキーマウス法も嫌いだし、ウォルト・ディズニーなど恥知らずのパクリ屋で、労働組合つぶしに躍起になった自由の敵だと思っている。
ディズニーランドの誘致には、足の引っ張り合いもあっただろうし、やくざとの付き合いも、利権もあったんだろうとは思う。
けれど、今度、浦安の町に行った時には、ディズニーランドを見る目が変わるだろう。
僕の目に映るのは、取り残された町だった浦安の、自由と夢と希望のモニュメントだ。

えー? タイムリー?

先日のエントリnomaddaemon: 胡散臭い恋で書いたばっかりだというのに、こんなニュースが。

上海総領事館員が昨年自殺、「中国が機密強要」と遺書 :
社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

自殺後、総領事や家族などにあてた遺書が数通見つかっており、このうち総領事あての遺書の中に、中国人の男から交友関係を問題視され、総領事館の情報を提供するよう求められたという趣旨の内容が記されていたという。

やっぱり世界中でそういうことやられてんじゃん。
改めてトラックバックを
日中諜報戦の「犠牲者」 : 週刊オブイェクト

脳無しの呟き:上海総領事館員自殺事件
に送っておきます。