心を潤してくれる。リリンが(ry

「文化の極み」とはとても言えんわな。

リリンが生み出した「もっとも不合理で愚かで滑稽なもの」だわな。
だがそれがいい。俺は愚かさを愛するので。
みんなは合理的で安全で快適なものに乗ってりゃいいと思うよ。グリーン車とか。

先日、東京モーターサイクルショーに行ってきたのさ。
カスタムバイクとかもあったけど、なんつーか、10年も20年も同じことやってんのか、って気になったのであんまり面白くはなく。
とりあえずターボつけてるバイクが一台も無かったのがアレだ。
……
ぶらぶら回ってると、試乗ができるっつーわけ。
手ぶらで行ったんだけども、ヘルメットも貸し出すって言うし日曜日の午後だっていうのに待たずにすぐに乗れると。さすがにBMW S1000RRとかBIMOTA DB7とかは満員御礼になっちゃってたけど、まあちょっと気になってたモタードタイプのKTMに乗ってみるかなあ、ってね。

で乗ってみた。

久しぶりでワクワクしながら試乗車待ってたら、来たのがまたアホほど車高が高い。遠くから見て車高たかいなーと思って近づいたらもっと高かった。いや、カラ荷だから高いんだろ、乗れば沈むだろとまたがったらさらに高かったって言う。
いや、俺の身長3mあるんだけど、足が地面につくどころじゃねえ、シートに座ると両足ブラブラだかんね。
ハングオンしてやっとこさ足つけたものの、いざ出発しようって段になったら、今度はサイドスタンドが上げられない。サイドスタンドだよ！
エッチラオッチラふんかふんかやってサイドスタンドの付け根を蹴っ飛ばしてたら係員が気をきかして上げてくれたかんね。マジで。
こんだけ高かったら大林素子とチューができるよ。大林素子ってチューできなくて結婚できなかったんだからね。ひょっとして俺と結婚しちゃうかもよ。
走り始めはチョイ不安だったけども、またがった時の車重感とかハンドルの位置や幅がしっくりしたんで、最初のコーナーに入ったときはもう車高の高さとかどうでもよくなってた。

足回りが固めだけども乗り心地は悪くない。
…いや、サスだとかポジションだとかギアレシオとか能書きはどうでもいいや。
何が良かったってエンジンが良かったんだよ、エンジンが！
なにこれおもしろい！
サイコーに調子いい！
低速はノッキングするんじゃないかってところでもタカタカ言って前に出るし、回せばビンビン回る。回せばどんどんトルクが乗っていって単気筒のクセに高回転までストレスない。
ハングオンでもリーンアウトでもおもしろい。
ブンブン回ってグングン曲がる。ウッヒョー！

狭い駐車場にカラーコーン並べて作った試乗会場だからさあ、堪能するまでは乗れなかったんだけど、バイクから降りたときにはニコニコしてんだよ。
自分でもわかったｗｗｗ

その足でKTMのブースまですっとんでってさ、若い案内の兄ちゃんの胸倉つかんで締め上げたよ。
「オイコラ、テメエどういう了見だ。俺はこれまで真っ正直に生きてきて世間様に後ろ指刺されるようなこたぁ何一つしたこたないんだよ。それを今の今まで騙されてるとは思わなんだ。俺に内緒にして隠すたあひでェ話じゃねえか。今まで知らんくてどえらい損こいた、どうしてくれる。今すぐ持って帰るからコレ包め」
こうみえてもほら、ヤットウやってるからね、ここぞとばかりに。懲らしめてやらんと承知が悪い。
したら兄ちゃん、ヘラヘラして包むのはいいけど電車に乗らんと抜かしやがる。
お代はお釣りの無いようにお願いしますよ、と澄ましたもんだ。
チクショウこのやろ足元見やがって。こちとら金が無いわけじゃねえんだ。無ェわけじゃねえんだよ？　今日はたまたま。たまたま財布の中には2千円しか入ってないけど、いつもはもっと入ってんだよ。買い物するぞ、って用意してくりゃもっと持ってきてたんだって。
で、いくらだ。120万くらいか。
って言ったらホントに120万だと。

うーん、いい値段じゃネエか。絶妙だね。まさしく狙ってるね。
120万なら高くないよ、コレ。
ホワイトパワーの前後サスにブレンボのブレーキ、マルケジーニのホイール、スリッパークラッチだろ。
兄ちゃん嬉しそうにさ、「今のリヤサス、外人向けに75kgとかの体重設定になってますから、サービスでバネレート落として納品できますよ」なんて、おい、商売うまいね。
「早くしないと無くなっちゃいますよ、DUKE R、在庫あと1台しかないんで」
バカタレ、てめえ足元見やがって。俺のバイクが取られちゃうってことじゃねえか、どうしてくれんだ。

もうブンブン手を振り回しながら息切らしてウチに帰ったよ。
「母ちゃん、バイク買うからお金ちょうだい！」

…まあ、そりゃご想像のとおりだけどさ。
両手両足ばたばたさせて玄関先でひっくり返って「買ってくれなきゃ死んじゃうよぉおおお」って泣いてみたけどね。
そおおっと玄関のドアが閉まってね。
「俺のバイクが無くなっちゃうよぉおおおおお」ってわめいたんだけどね。

しばらく泣いた後、こっそり起き上がってドア開けようとしたら鍵がかかってて。
チャイム鳴らしたけど

誰も出なくてね

ああ、久しぶりにいいバイク乗って、ますますバイクに乗りたくなったよ。
今年こそは…
今年こそは…