ひょっとして、僕は師に恵まれてるんじゃないでしょうか。
ドラネコ商会の佐山先生も、雄神会の八木先生も、僕に合ってる先生なんじゃないかと思えます。
皆さん、もし自分が武術を選ぼうとした時、どんな基準で選びますか?
1.教える人の公的な強さ (オリンピック経験者・有名大会優勝経験者など)
2.教える人の実際の強さ (実際に戦ってみて他の指導者よりも強いことが確信できた場合など)
3.教えられる環境 (和気藹々としている、真剣に向き合っている、距離が近い、エアコンがある、畳がきれいなど)
4.教え方 (合理的に教える、神秘的に教える、異性がちょっとエロく教えてくれるなど)
思いついていくつか選択肢を書いてみましたが、こういうのを自分の中で一つ一つ合理化して、必要な事項を埋めていって道場を選ぶってことはまず無いでしょう。
結局は「行ってみて見学したり、ちょっとやってみたりして、合えば通うし合わなかったらいつのまにか通わなくなる」ということになるんじゃないでしょうかね。
つまりそういう中で後を振り返って「合っていた、合っていなかった」って感想を言うのであって「自分はxxを求めているので yyが必要だ」と言語化して道場に通いだすってのはほとんど無いんじゃないでしょうか。
もちろん、格闘技を長く経験していて、いくつもの道場に通ったことがある人は次第に「自分に合った道場」っていうのが具体化して来るのでしょうけど、なかなか僕らみたいなシロウトにはわからない。
習っているレベル、その時の状況に応じて、「前はこの道場は合っていないと感じたけど、今はより深いところで教えてくれたことがわかった」なんてこともあるかもしれません。
つまり、僕らシロウトは、なかなか自分に合ってる道場ってのに巡り合うのは難しいんじゃないか、ってことですよ。
んで、知らず知らず失敗した選択をしてるかもしれないってことです。
そういう意味で、もしかすっと、僕は幸運だったんじゃないの? と思えてきたってわけ。
僕は当初、合気道を神秘的なもの、伝統的・因習的なものと考えていました。
で、今の雄神会に入って養神館系の合気道をやってみて「けっこう筋肉もいるし、痛い関節技」というのがわかった。
ドラネコ商会にお世話になって「ステキな能書きいろいろ言ったって結局は暴力なんだよ」ってこともわかった。
もう少しソフィスティケイトされた<わかった>表現の方が正確なんですけど、この場では大雑把にそう表現しておきます。(もっと考えないといけないのでね)
雄神会は門下生同士で教えあったり意見を言い合ったりします。時々は間違ったことも言ったりやったりしてるんですけど、いずれ先生が訂正してくれますし、「門下生の今の理解はここ」と具体化されるわけで、間違っている部分がフォーカスされます。
教えることで自分の動作を具体的に分解し、その動作の意味を言語化することで、動作を意識づけることもできます。
他の道場の合気道の様子をいくつかチラ見してるんですけど、他のところでは「間違って覚えるといけないので先生が教えたこと以外やっちゃいけない」「未熟な者同士が教えあっても無駄」って所もあるみたい。
八木先生みたいに、よその道場にいくことを大らかに認めてくれる所も少ないみたい。「交流禁止、試合禁止」って話もいくつかの道場で聞いたこともある。
「ヨソのところでコテンパンにやられました」って正直に言って「そりゃいい経験した」と言わんばかりに喜ぶ先生って、こと合気道に関してはそうは聞いたことないです。
佐山先生もステキですよ。
権威的なところは微塵も無く、ただ強さについて追求している。文化的性向、っつーかニヨイが俺のオタク魂を直撃さ。師としてステキだし友人としておもしろいー
えーとえーと
つまりですね。
これから格闘技をやろうと思う人は皆もれの仲間になるがいいー!
ってことですよ。
先生がいくら良くても俺のヘタレは直らないのがアレだがそこは言うな
月別アーカイブ: 2006年8月
うはは体中が痛い
佐山師範の主催する武道、 「ドラネコ商会」 に お誘いいただき 、8月19日(土) 稽古に行ってまいりました。
この佐山師範、紅顔の美青年でして、道を歩けば数々の女子高生がミニスカをたくし上げて我も我もとついてきて、ひとたび流し目をくれたらその場で三人失神したという逸話を持っております。僕は見た。それでドラネコ商会流にお世話になる決心をしました。
ここまでモテモテにもかかわらず、幸か不幸か佐山師範には奥様と娘さんがいて家庭内もウハウハ。奥様はFカップ、あろうことか娘と一緒に風呂まで入るエロマンガもかくやという生活。男と生まれたからにはかくありたいと周囲の男どもはねたましさに歯軋りの毎日です。
この男の嫉妬から身を守るために武道を学んだと言います。
よほど周囲の嫉妬のエネルギーが強かったのか、それに打ち勝つために自らを鍛えざるを得なかった。鍛えて強くなってさらにモテるという。プラスエネルギーの正のスパイラルフィードバックがフリーラジカルとなってπウォーターがクラスタリングしてるわけです。
でまた強い。
その強さはマンガ「拳児」のモデルともブルースリーのモデルとも言われています。
佐山師範にまつわる話は数多く、風呂で転倒して肘を壊したために野球から転向したとか、必殺を標榜する相手と死闘の末に勝ち、いくつかの道場をつぶしたとか、相手の筋肉の神経に沿って気を送り操ったとか、謎の中国拳法家に道で教えを乞うたとか、2chのoffでは負け無し、2chの板でも負け無しとか、実は日本人ではなく韓国人だとか、中国人だとか、ブラジル人だとか、フランス人だとか、部落出身だとか、いや高貴の出で代々天皇家のボディガードだったとか、ハンガリーで大蛸と熊と戦ったとか大熊猫と戦ったとか猫と戦ったとか、師範が天を仰ぎ「あいつだけには敵わない」と只一人嘆いた相手とは「娘だ」と答えたという話など、神話や噂や都市伝説や奇譚が常に付いてまわる人物です。
そういう所へ稽古しにいくんですからビクビクですよ。
うっかりしたらヒヨコの羽をむしるみたいに手足もがれて尻から手を突っ込まれて裏表ひっくり返されてシオカラにして娘の離乳食にされてしまいます。それ見ました。
佐山師範は少林寺拳法、空手、合気道、太極拳をやってたそうで、僕らが教わるのは合気道的な動きが多いように感じます。あるいは同じ運動動作の中に合気道的なエッセンスを僕が見出してるだけかもしれませんが。
相手と組み、崩し、投げる。打つ。蹴る。
ドラネコ商会流の我孫子さんと稽古をしたのですけど、形稽古の間、崩しから投げのような合気道的動作をしてる間は、けっこう「ああ、合気道の練習が役に立ってるよ!」とありがたみを感じました。ま、俺もこう見えてなかなかだぜ。
……
クレーン
僕は「移動式小型クレーン免許」と「玉がけ免許」を持っている。
玉がけというのはクレーンに物を吊る時などにワイヤーで固定する技術のことで、クレーン免許を取る時に一緒に取るものだ。
しがないIT(イット)営業マンの僕がなんでそんな免許を持っているかといえばそれもこれも皆バイクのためだ。
僕は当時、GSX-R750に乗っていた。そう、例の「新幹線に敗れた失意の」GSX-Rだ。
僕のテリトリーは三ケ日の農業道路だった。……
本日の先生のお言葉
「押さえるのに上半身に力を入れたってダメだ。腹に力いれるんです」
(体の真正面でズレが無いように力を入れないといけないようです)
「極める時には力を抜くんだ。二ヶ条でも三ヶ条でも型さえきまってりゃ力を入れない方が相手を動かせるんです」
「極めるのは崩すためです。手首をいくら極めたって人は殺せない」
昇段試験落ちました
えー。
残念です。
黒帯はまた今度ってことで…
型は覚えたのですけど、やっぱり自由技ができてない、ってことで。
自由技もいくつかバリエーションを用意して、数はこなしたつもりだったのですが、ちゃんとした姿になってない、と指摘されました。
・投げていても足を踏み込んでいない。棒立ち。それじゃ投げられない。
・後ろへ回り込む動作の時、十分に回りこんでいない。力ばかり余計にかかって相手をくずせない。
・肘締めの時に後ろに回り込んでいないので腕を抱え込めない。
・自由技の時、投げた後、後ずさりしてしまっている。前に出て間合いを詰めるか、回り込むかしないと消極的に受け取られるし、相手の間合いを作ってやってしまっている。
総じて言えば「間合い」と「崩し」ができていない。
「踏み込み」もできていない。
ってことですかねえ…
これを意識して体を動かせるようにならないと初段は難しいようです。
先生は「型を見てるわけじゃねえんだ」と言います。
「そんなもん、毎回の練習を見てりゃあ、だいたいどのくらいかなんてこたぁわかるんだ」と。
例えば、審査技の中に「肩持ち正面打ち一ヶ条抑え」という型があります。これには要素がいくつもあって、動きは複雑です。
1.相手が正面から打ちかかってくる
2.こちらが突きで相手を打つ
3.相手が逃げ、右側に回りこむ
4.相手がこちらの右肩をつかむ
5.こちらが正面から打ち、相手の正面打ちをさそう
6.相手の正面打ちをあしらい、崩す(相手はこちらの右肩をつかんだまま)
7.左で崩れた相手を打つ。
8.左で右肩をつかんだ相手の手を固定し、右で相手の肘をすりあげる
9.すりあげた肘を手刀で前に切り下ろし、一ヶ条を極める
実際、そんなシチュエーションなんかねーよ、と思えるんですけど、先生が見てるのはその型がスムーズにこなせるか、ではなく。
相手に技がかからなかった時。相手が間合いから逃げられた時。相手との間合いや角度がズレていた時。
そういう時に、いかに相手を誘導するか。 流れの中で体重移動ができるかを見てる(らしい)んです。
だから時々「右足で出るか左足で出るかとか、右で打つか左で打つかなんてどうでもいいんだ。(基本はこっちだけどな)」と先生は言います。
どっちの足でもどっちの手でも、そちらの手・足を使うことで相手が崩れる、自分を有利な位置に置ける、っていうのが大事なんだと。
もっと練習して、相手をきちんと崩せて、自分と相手の位置関係を把握しながら動けるようにならんといかんですねえ。
今度の試験は秋だそうです。
がんばろう。