いやー。実は去年の秋に昇段試験を受けて、茶帯になったのですけどね…
イマイチ、こう、なんと申しますか、報告するのに忸怩たるものがあるわけですよ。
「なんとか型は覚えた。それで?」
「あの時は確かに決められたように体は動いた。それで?」
「茶帯も白帯も、ちっとも強くないという意味じゃ一緒なんじゃないの?」
みたいなね。
あっちの人よりこっちの人のほうが強いとか弱いとか、アレじゃだめだコレじゃだめだ、と脳内にはよぎります。よぎりますとも!そしてソレを文章に起こしてblogに載せる衝動もね。
んですがねえ、何言ったって何書いたって、僕が強くなるわけじゃないんですよね。
あっちの人がどんなになってなくても、僕には何の関係も無い…
誰かがどんなに強くても、例えばブルース・リーがどんなに強くても、僕とは何の関係も無いのと同じことです。
そういうことをわかってきたので、尚更、合気道について、格闘技についてモノ言うのは慎重になってきちゃう。
K-1みたいなテレビ番組を見て、「あの選手は弱いね」だとか「あの場面ではこんなふうにしなくちゃ」みたいな言葉の薄っぺらさがわかってきちゃう。
……
例えば、昨日、僕は基本の型をまた練習したわけですよ。
そう、入門初日にやったあの型をね。
斜行法、っていう基本の基本のまた基本、というからだの動かし方があるわけですよ。
すり足で、足を斜め前に出して前進する、という型。
ただこれだけ。
これがね。難しい。
左足を前に出すのはこころもちうまくいくような気がするのだけど、右足を前に出すと、後ろになった足で踏ん張れない。踵が浮いちゃって重心が前のめりになってるのがわかる。これじゃ回転もできないし、上半身が安定しないので技もかけられない。
やってて、スキーやバイクを思い出しましたよ。
ただ曲がるだけでも右が得意、左が得意っていうのがありますから、やっぱり合気道にもそういうのがあるわけです。
スキーで、片足で滑ってみたことあります?
IN側に向けて曲がるのは当たり前。それをちょうど板の中心に重心を移す。エッジがIN側もOUT側も抜けてるのを感じながら、体の軸はそのままで、OUT側に重心を寄せる。OUTのエッジに乗る。曲がり始める。板のスライドを感じてコントロールする。
足の裏の感覚でコレをやるわけですわ。
慣れれば、できるようになる。
まあ、だからね、モーグルの配点は俺に言わせりゃ順当ですよ。スキーの、ことにモーグルの価値はターンにあり、なんだよ。エアがどうのと言うヤツはエアリアル見りゃいいんだよ。20年も前から今はもう廃れてしまったバレエ:今風に言えばアクロをたしなんでた俺からすりゃ、モーグルの豪快さがわからんヤツはモノ言うんじゃないよ。
あの膝にわざわざシルシをつける心意気がわからんか、と。フリースタイルスキーっつうのは心意気でやるものなんだよ。
しかしねえ、合気道は。
合気道は、曲がるだけじゃないですよ。振り下ろしたり投げたり打ったりするんですよ。
前進するだけで、2年もやってるのに、まだわからない。うまくできない。
今日、髪を切りに行ったら、スポーツ雑誌が置いてあって、PRIDEとかK-1の選手の特集がされてたわけ。
でも、そこに書いてあったのは手順だけなんだね。「1・2のパンチ」「コンビネーション」「カウンターできめる」「下からの関節技で腕ひしぎ逆十字」
そんなこたあいいんですよ。僕が知りたいのは、体軸はどう動いていくのか。姿勢の意味。ある場面でどんな技が出るのか、出せるのか。ある技を出すためにどんな関係に間合いを置くか、誘導するか。
先生は「体を動かすのに頭で考えてちゃダメだ」と言います。
ええ、先生、その通りなんです。その通りなんですけど。
僕はーまだー頭で考えてもーまだわかりませんー
技のバリエーションなんて、型はいくつかわかりましたが… 自由技なんてーまだーちっともーさっぱりー
とブスったれても四十過ぎのおっさんだと見苦しいですね。
すまん、練習します。
練習するのも大変なんだよう。
中国拳法のヒトが立禅(ただ立ってるだけみたいに見える修行)について、「あれやってると、自分はこれまでちゃんと立ってると思ってたけど、本当は、きちんと立つことすらできてなかったんだ、ということがわかる」と言っていたのだけど、気持ちはよくわかります。
実際に身体を動かしてみると、全くイメージ通りにはいきませんよね。。。
お仕事されながら稽古に通うのは、本当に大変なことだと思います。「次は黒帯!」ということなのでしょうが、どうぞ無理はなさらずに(^^)
nomadさま、
河村です。
2級の審査から、自由技がはいるそうですので、頑張ってください。
> さおくん
さおくんも経験済みでしょうが「自分の体がどこにあるかさえわかってなかった!」って思ったことがあります。
本当に、ちょっとわかってくると、「それまでいかにわかってなかったのか」ってことに愕然としますよねww
そしてそれを通り過ぎると、以前のわかっていなかった状態が想像もできなくなる。「普通にやればできるようになるんだよ」ってなっちゃう。
いつか「うーん、説明は難しいなあ。長くやってればだんだんわかるようになるよ」と言う側になりたいですねえ。
> 河村さん
おぢゃうさんとお手合わせをwww
おめでとうございます。
なんでも積み重ねるという行為は大事な事のような気がします。
私の先生も10年やってやっとスタートラインに立てるとおっしゃいます。もう7年が経過してしまったのだけど練習密度が・・・orz。スタートラインに立つのに後8年はかかりそうです。
ちょうど今月の『秘伝』は特集が「左を遣う」とやらで、体軸うんぬんの事がいっぱい書いてありましたよ。
U爺さま。
「合気道は体力不要」とか言いますけど、やっぱりいりますよ…
毎週クタクタです。
佐山師範。
師範に言われるとものスゲプレッシャーが…
本屋で見てみます。