いやぁ、なんでかって言ったら「カッコイイと思っちゃったから」って以外に理由は思いつかないよう。
根が貧乏人のせいか、いろいろたくさんついてるのがカッコイイって美意識が刷り込まれちゃってるんだよね。>そぉゆうのは美意識とは言わん。
死んだ婆さんが「肉は偉い」「量が多いのは偉い」「甘いのが偉い」っていう基準でメシ作ってたのと一緒だね。婆さん糖尿病になって死んだけど。俺もそういう血ィが流れてんだよ。いやぁ不幸だね、恥ずかしいね。そういう俺も痛風だよ。毎日ユリノーム飲んでるよ悪いかコノヤロー。
考えてみればそぉゆう人生なんだよ。最初に買ったバイクがGL400Wingだしね。
いや、そこ先回りして笑うなよ、もう見透かしたみたいに口ィ半笑いにすんじゃねえよ。そおだよ、今お前が「こんなんなんだろうなあ」と思ったとおり、そのまんまなんだよ。
俺が高校3年生の時にRZ250/350が発表されたんだ。
<もちろん>俺は350の方が欲しかったんだけど、発売されるのがいつになるのかわかんなかった。250が次の年の春に発売されるけど350の方は認可のせいか海外向けを優先させたせいか、国内向けはいつ発売されるかわかんない状況だった。
コゾウだしバカだし、俺はそんなにいつまでも待っていられるワケがなかった。来年じゃなくて今欲しいんだ。今バイクに乗りたいんだ。
で、俺はカタログデータを見たわけ。そしたら400クラスじゃあRD400が国内最高出力だった。そのころ買ってた「モーターサイクリスト」で0-400のドラッグレース用に改造してた記事も載っていた。
「同じヤマハだし、2サイクルだし見ようによっちゃあこれもスマートでかっこいい」
なんて言っても400クラス国内最速なんだ。 (と雑誌にも書いてある)
「あんまり売れてないのもマニアっぽい」
と考えることにした。
「中古車なら安く済むし」
モーターサイクリストの記事が改造すればするほど遅くなっていき、尻切れトンボで終わっちゃったことは考えないようにした。
バイトで貯めたローンの頭金10万円握り締めて俺はバイク屋に行った。。
バイク屋のオヤジは「タマ数も少ないから中古を探すのは難しいよ」とRD400が人気薄なのを暗に言った。あんまり乗り気ではないように見えた。
まあ、コゾウが一番最初に乗るバイクがRD400っていうのも今考えると確かにあまりお勧めできる選択じゃなかったかもしれない。
そこにあったのがGL400だった。
「でかい。でかいねー。ナナハンみたいだねー。ハンドルアップだねー、スポーティじゃないよねー。黒いねー。豪華だねー。大きいねー。重そうだねー。バカみたいだねー。
…これ下さい」
それからだよ。それからずぅううううううっっと同じことの繰り返しだよ。
VF750Fが出ちゃあ「V4だ!最高出力だ!16インチだ!アンチノーズダイブブレーキだ!」
GSX750Rが出ちゃあ「アルミフレームだ!油冷だ!最高出力だ!最軽量だ!」
メーカーが言う新技術とかそういうモダーンなもの、素晴らしき能書きにココロを激しく刺激されちゃう人生なんだよ。
だからさー。
ターボっちやー、避けて通れないワケ。
ってか誘蛾灯に誘われるかのよぉに遠く遠ォーくの彼方からはるばると海を渡り山を越え地を駆けてたどり着いちゃうワケよ。
でな。
「ターボだ!タービンがぎゅわーんと回るんだ!ブローオフバルブがプッシャァァ!ウィリーだ!最高出力だ!20psiだ!300psなんだ!」
って言われたらメロメロの濡れ濡れなんです。好きにして。